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ステロイドは怖くない
様々な人が皮膚科の外来にいらっしゃいますが、皮膚科で一番多い処方はステロイドの軟膏です。
たとえば湿疹の方が皮膚科にいらしたとき、診断がつき軟膏を処方しておきますと伝えると、「先生それはステロイドですか?」と不安な様子で聞かれることがあり、処方した薬がステロイドであるとお答えすると、「ステロイドはいやです」とおっしゃる方がいますが、これは本当に困ります。
以前マスコミがステロイドは怖いものという報道をしたことがあり、その影響でこのような会話が幾度となくおこなわれています。
ステロイド軟膏は正しく使えば、きちんと治療ができるのです。
ステロイドの種類と用途
ステロイド軟膏は大きく分けて4種類の強さのランクがあります。
l 最強 (strongest) デルモベート軟膏
l とても強い (very strong) アンテベート軟膏、リンデロンDP軟膏
l 強い (strong) リンデロンVG軟膏
l 弱い (weak) ロコイド軟膏、キンダベート軟膏
英語の表現の後ろは代表的な軟膏の商品名です。
単純に訳しているのでこうなっていますが、実際は強い (strong)、と表記されているリンデロンVG軟膏などが標準の強さです。
通常体や手足に湿疹ができた場合には、強い (strong)クラスのステロイドを使います。
治るまで1日3回外用してもらいます。
塗布する期間としては、数ヶ月単位で塗ってもらってもほとんど問題になりません。
ではその他のクラスのステロイドはどんな風に使うことが多いのでしょうか?
とても強い (very strong)クラス のステロイド軟膏
l 皮膚が厚いところ、つまり手の平や指、足の裏
l 皮膚炎がひどくなって皮膚が厚くなっているところ
l 明らかに原因が判っている接触性皮膚炎で早く治したいとき
最強 (strongest)クラスのステロイド軟膏
l 炎症の強い接触性皮膚炎(毛虫など)
l 特殊な炎症性疾患(掌蹠膿疱症など)
ただし、上記はあえて列挙したら、というだけで、通常は最強クラスを多用することはありません。
逆に言うと、強すぎるクラスのステロイドは一般的におすすめはしませんので、処方してくれるクリニックは要注意です。
弱い (weak) ランクのステロイド軟膏は、主に顔や陰部に中等度以上の炎症がある場合のみ使用するのが一般的です 。
これは顔においても弱いクラスのステロイドを数年単位で使用すると、不可逆的な副作用が出てしまうことがあるからです。
短期間使用する分には全く問題ありません。
ステロイド外用が怖いというのは、強いクラス以上のものを顔に使っていた時代があったからです。
皮膚科に精通している先生ならば、しっかりとした処方をしてきちんと症状を改善させてくれます。
ステロイドを外用していて心配な方は一度皮膚科専門医にご相談を。
おまけの話ですが、ステロイド軟膏を塗ると茶色に色がつくとよく言われるのですが、これは間違いです。
炎症が起きるから茶色くなるのです。
炎症を早く抑えるステロイドはむしろ炎症性色素沈着を抑えますので、茶色に変色するのを抑えてくれます。
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